競馬の玄人は血統を見る

血統

近ごろでは競馬もショーアップされ、オシャレなレジャーとして、若い世代、女性、そして家族連れにも広く浸透してきましたが、基本的には公的に認められたギャンブルです。馬と騎手がそのスピードを競い、そして、見る側はどれが勝つかを賭けて楽しむ、というものなのです。ビギナーズラックや、フィーリングで選んだ馬が勝つ場合も中にはあるでしょう。

しかし、基本的には競馬はデータの蓄積の上に成り立つ世界なのです。勝ち負けにこだわる玄人は、まず競走馬の血統を緻密に調べ、また、その馬を駆る騎手の能力や相性も含めてその能力や可能性を読み取っていくのです。馬には父方母方からそれぞれの能力を緻密に掛け合わせて作り上げた能力が秘められているのです。そのために、馬主は次世代にもっともっと優れた競走馬を残すためにパートナーを探してめあわせ、同様に夢を託す観客も、ことにその玄人を自認する人々は長い間に紡がれたその血統のデータを紐解いて、今目の前を走るその馬たちの能力を計り、そこにお金を託すのです。

玄人が馬を見るその目は、今そこにいる馬だけではなく、その背後にいる多くの馬たちの姿、そしてその血統が紡いできた数多くのドラマのいろいろな面を見ているのでしょう。競馬場にただ馬を見に行くのも楽しいでしょうが。興味を持った馬の親はどんなレースを走っていたのか、と一世代前、二世代前のデータを紐解いてみたら、また違った競馬の楽しみが目の前に広がるかもしれません。競馬とは、そんな奥深い世界なのです。